概要
平成27年7月1日より「足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く。)」に従事する作業者については、特別教育が義務付けられ、特別教育を受けていない者は当該業務に就労できない業務となりました。また、規則改正による経過措置が2年間設けられていましたが、平成29年6月30日をもって終了しています。
一方、「足場の組立て等作業主任者技能講習」については、作業者を指揮命令等する立場であることから受講資格として「足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く。)に3年経験した者」等、当該作業の実務経験が必要であり、その期間、年数を事業主等に証明していただいています。
しかしながら、足場の組立て等の業務に係る特別教育が義務付けされたことに伴い、受講される方の経験期間によっては「足場の組立て等特別教育」を修了したことを証明する書類をご提出いただく必要があります。
1.特別教育が必要な作業
高さに関係なく「足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く。)」に従事する労働者
「足場の組立て、解体又は変更の作業に係る業務(地上又は床上における補助作業の業務を除く。)」は年少者労働基準規則により満18歳に満たない者の従事が禁止されています。
2.作業主任者を選任すべき作業
「つり足場(ゴンドラのつり足場を除く。以下同じ。)、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業」(労働安全衛生施行令第6条15号))を行う場合には、法定の技能講習を修了した者のうちから「足場の組立て等作業主任者」を選任し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければなりません。(労働安全衛生法第14条)
3.「足場の組立て等作業主任者技能講習」の受講資格
満18歳以上に達した後、次のいずれかに該当する者
- 受講資格(1)
足場の組立て、解体又は変更に関する作業に3年以上従事した経験を有する者。 - 受講資格(2)
学校教育法による大学、高等専門学校(5年制の高専)、高等学校又は中等教育学校において土木、建築又は造船に関する学科を専攻して卒業した者で、その後2年以上足場の組立て、解体又は変更に関する作業に従事した経験を有する者。 - 受講資格(3)
その他厚生労働大臣が定める者
4.作業に従事した年数から除外される期間
A 次の期間は作業に従事した年数には含まれません。
- 満18歳未満の経験年数が含まれている場合。
- 足場の組立て等特別教育に係る経過措置が適用される者で、経過措置が終了した後、特別教育を受けず就労している期間。
- 足場の組立て等特別教育に係る経過措置が適用されない者が、特別教育を受けず就労している期間。
前述の①~③は次の理由により、無効となります
- ①の者については、年少者労働基準規則第8条25号により満18歳に満たない者の就業が禁止されている。
- ②の者については、経過措置終了日から特別教育を受けるまでの間、無資格就労となります。
- ③の者については、特別教育を受けるまで無資格就労となります。
※①~③は全て違法な状態となります。
B 前述4-A-①~③の方が受講資格を満たすためには
①満18歳未満の経験年数が含まれている場合。
満18歳に達した後、適法に従事した経験で受講資格を満たしている場合は、その経験年数により受講資格を満たします。
満18歳以上に達した後の経験が受講資格に満たない場合は、適法に経験を積み、受講資格を満たしてから受講申込みを行なってください。
②足場の組立て等特別教育に係る経過措置が適用される者で、経過措置が終了した後、特別教育を受けず就労している期間がある者
経過措置終了前に受講資格を満たしている場合、受講資格を満たしています。
経過措置終了前に経験が受講資格に満たない場合は、まず「足場の組立て等特教育」を受け、受講資格に不足する分の経験を積んでください。
経過措置終了前の経験及び経過措置が終了した後、特別教育を受けた後の経験を合算し、受講資格を満たすこととなります。
③足場の組立て等特別教育に係る経過措置が適用されない者で、特別教育を受けず就労している者。
まず「足場の組立て等特別教育」を受け、その後足場の組立て等の業務に従事し、受講資格として必要な経験年数を満たしてから受講申込みを行なってください。
5.足場の組立て等の作業に従事した期間及び年数により特別教育を修了したことを証明する書類が必要となる場合
次のア又はイのいずれか
(将来的には規則改正前の経験を有する者が居なくなるため、全てアに該当することとなります。)
ア 平成27年7月2日以降に新たに足場の組立て等の業務に従事した者。
(経過措置が適用されないため、特別教育を必ず受けている必要があります。)
イ 経過措置終了後の期間を含めて、受講資格を満たす者
(経過措置期間満了後は特別教育を受けていないと足場の組立て等の作業に従事することができません。)
6.特別教育を修了したことを証明する書類とは
次のA又はBのいずれか
A 登録教習機関等で講習を受け、修了証の交付を受けた場合
修了証に記載してある受講者の情報や受講した講習が分かるように写し(コピー)を取り、その写しを取った用紙の余白又は裏面に「原本と相違ないことを証明します。」と記載し、事業主等の証明を行なってください。
受講者が事業主である場合や証明を受けることができない場合は、申込み時に修了証の原本及び写しを持参してください。窓口で修了証を確認し、証明いたします。
B 自社で特別教育を実施した場合
Aの書類又は特別教育実施記録をご提出ください。
特別教育実施記録により実施した年月日や内容、時間、受講者、担当講師の資格等を確認させていただきます。なお、特別教育実施記録には実施者の証明を行なってください。